うちの定春は「保護犬」です。
と冒頭からこんな滑り出しで真面目な記事を書こうとしてますが、気楽に「保護犬」のことを考えてみました。
こんにちはフリーライターの岩田です。
先日ネットニュースで北海道の保護犬殺処分0継続という記事を読みました。
殺処分0件、凄いことですね。北海道の取り組みは別記事を立てるとして、今回は「保護犬」とか「保護猫」などの動物を保護することの意味を考えてみます。
安楽死が悲しいことだとは思いません
海外からのニュースですが、10年連れ添った警察犬をガンのため安楽死を選択し、そこへ向かう道筋に警察官の同僚が敬礼をしながら見送るといったニュースが流れてきました。
犬も動物ですからガンで安楽死か…なんて読んでいたのですが、この選択は人として正しいのだろうなとも、なんとも不思議な感覚で記事を読んでいました。
動物の安楽死で真っ先に思いつくのは「殺処分」ですよね。
保健所である一定期間たったら保護した犬や猫を処分するあれです。
未だに減っていないからとボランティアやNPOで活動なさる方たちには本当に頭が下がります。
しかし、保護犬を保護して本当に犬の幸せになるのかな?と思うわんこさんやねこさんをみかけます。
保護犬を受け入れることとは?
結論から申し上げると「かなり勇気のいることだ」と思います。
定春を受け入れるときは間違いなくここで悩みました。
- 「もし家人に噛み付いたら」
- 「もし全然馴染めないで暴れられたら」
- 「もしまったく躾ができないくらいの荒い性格だったら」
そんなこと考えていたらキリがないのですが、直感で定春を保護してきた我が家の父(実父ですが)。そこまで考えてなかったんだろうなと、今更ながら…。
保護するのは犬や猫だけで、他の動物はどうなんだろう?と考えることもあります。
ここで僕がいう「動物」とは、命のある生き物を指します。
もちろん人間も然りです。
ではリンクした記事から少し保護犬を受け入れるとは何か、を考えてみましょう。
元気のいいパピーの場合は小さな子どものいる家庭では事故の恐れもありますから「子どもの年齢は8歳以上」、飼い主と別れ、かなり神経質になっている犬の場合は「静かな家庭環境が望ましい。子どもはティーンエイジャーかそれ以上(13歳以上)」、田舎から来た子によくあるのは「リードをつけての外の散歩が苦手なので、広い庭がある家庭が好ましい」などです。
特に犬を引き取るときには十分な条件があることがわかります。
”「リードをつけての外の散歩が苦手なので、広い庭がある家庭が好ましい」”これは正直難しい部分もあるのでは?と少し疑問に感じます。
犬を保護することがここまで条件が細かいと、保護したいと思う里親さんは躊躇してしまいます。
細かいからダメというわけではなくて、もし保護犬の里親になりたいなら、家人全員で保健所(保護されている場所)に行き、実際に受け入れられるかどうかを見るべきでは?と思うのです。
また、保健所側にも思う所もあるのでしょうが、最低限里親になりたい人のためのセミナーを開いて心構えを少し教育する機会があればいいなと思うのです。
「今のままではダメ」というのではなく、もし保護犬を受け入れたいと思う人がいるのなら、保健所の役割はそこも担えばいいのではないかと、一種の提案ですね。
ほぼ間違いなくボランティアやNPO法人がシェルターを運営されている実情ももう少し改善できないものだろうか?とも思います。
以前、熊本の震災後に立ち上がった保護施設の紹介をしました。
片耳の秋田犬が保護されている施設です。
可哀想だけでどうにもならない現実があるのですが、里親になりたい方はやはり「犬を飼う」「猫を飼う」といった基本的なことを見直さないといけないのです。
犬猫以外にも目を向けてみる
拡散動物ってご存知ですか?
最も有名な拡散動物は写真の「ブラックバス」ですね。
今や日本全国に生息しています。
で、物理的に駆除は不可能です。
獲ったら増えるので、駆除しきれないという現実があります。
ブラックバスだけでなく、アライグマやヌートリアなんかは最早野生化して繁殖している地域もあります。
ブラックバスの話題は別のブログで書いているので、ここでは拡散動物の是非に焦点を当てます。
ブラックバスは食用で日本に持ち込まれました。戦前の話です。
最初は芦ノ湖、これと言って産業もなかった芦ノ湖に最初の一匹が放たれます。
その後は芦ノ湖から河口湖などの富士五湖へ移植されます。
目的は全て食用です。輸送手段が乏しく、湖があっても水産資源が乏しいこと、海まで遠かったことから水産資源がなかったことからブラックバスを養殖して産業にしようとしたのです。それが明治時代の話です。
戦後の混乱期から高度成長期が始まるまで、ブラックバスは新幹線の沿線が伸びるかのごとく移植され続けます。
それもこれも食糧難から来る新たな産業を期待した結果、全国に拡散されたのです。
よって新聞各社の言うような単純な背景ではありません。国策です。
さて、アライグマやヌートリアはどうでしょう?
動物の輸入を規制する法律が不十分だった1980年台に遡ります。
アライグマブームは「あらいぐまラスカル」ヌートリアは単純に愛くるしい動物であることから犬猫以外のペットとして輸入されました。
で、いざ飼ってみたら気性は荒い、大きくなるなどの理由で飼い主が次々と放棄します。
当然、天敵らしい天敵がいないので増えます。そして住み着きます。
子孫が残った時点で定着するため、数は増える一方ですね。
困ったことに少数の時は農作物にあまり被害がないので、気が付かないうちに生息域が広がり、ヌートリアに至ってはほぼ全国にいるのではないでしょうか?
しかもブラックバスのように水がなくても住む場所を自ら変えられるので、行政が駆除に入ってもいたちごっこです。
魚類よりも余程たちが悪いですね。
結局のところ…
アライグマにせよヌートリアにせよ、「飼いたい」と思った人がいて、「売りたい」と思う人が輸入して、市場に出るのだから、その流れみたいなのは反対ではないけども、ムダに生き物を殺さなきゃならない飼い方はいかがなものかと思います。
最近では「アリゲーターガー」とかの熱帯魚が池などに居た!なんて話も聞きますよね。
「飼うな」とは言わないけど「飼う以上最後まで飼いなさい」と、そんなことをおもうのです。
そうすれば殺処分も飼育放棄も起こらなくて済むんだよなと、冒頭の記事や定春を見ながら、考えていた次第。
次回は取材に出向きシェルターや保護施設の内情をお伝えしたいと思います。